相続した実家の解体、誰の同意が必要?【フローチャート】
相続人が複数いる実家の解体は、誰の同意が必要?所有関係と家族の話合い、解体同意書、契約者・連絡窓口の違いをフローチャートと具体例で説明します。代表者が決まった後も、契約前に確かめたいことをまとめました。

司法書士行政書士宅建士
「きょうだいが何人かいて、実家の解体は自分が業者へ連絡することになった」。窓口は引き受けたものの、誰に何を確認すればよいのか、迷いますよね。
家族との話合いや書類の準備が済んでいなくても構いません。誰と話せているか、何がまだ決まっていないかを、分かる範囲でお聞かせください。司法書士・行政書士と一緒に、誰の同意が必要か、誰が契約するかを確認していきましょう。
複数人で所有する建物全体を解体するには、原則として所有者全員の同意が必要です。遺産の分け方が決まっていなければ、まず相続人が誰かを一緒に確認しましょう。連絡窓口を一人に決めたことと、その人が解体を決めたり、全員の代理で契約したりできることは別です。
今の状況を電話で相談するきょうだいの過半数が賛成なら、解体できる?
共有する建物全体の解体は、原則として全員の同意が必要です。人数の多数決や、持分の多さだけでは決められません。
共有とは、一つの建物などを複数人で所有することです。それぞれが持つ権利の割合を「持分」といいます。民法では、共有物の形や使い道を大きく変える場合、他の共有者の同意が必要とされています。実家の建物全体を取り壊す場合も、原則として全員の同意を確かめましょう。
「もう使っていない家だから」「固定資産税は自分が払っているから」という事情だけで、ほかの所有者の同意が不要になるわけでもありません。家族の意向をまだ聞けていなければ、そのことも含めてお話しください。解体する範囲や費用について、誰に何を聞くかを一緒に考えましょう。
今の状況では、何から確かめる?
所有関係が分からなければ、登記の内容と相続人が誰かを、一緒に確認していきましょう。家族の意向をまだ聞けていなければ、解体する範囲や費用について、どんなことを話し合うか一緒に考えてみましょう。全員が賛成している場合も、契約する人と費用の分担まで確かめておきたいですね。
家族の状況から、相談したいことを確かめる
今分かっている答えを選ぶと、次の質問が下に開きます。前の答えも変更できます。
登記だけでなく、相続人・遺言・遺産分割の内容も確認できているか、分かる範囲で選んでみてください。相続放棄を考えている方がいる場合は、契約や処分の前にその事情もお知らせください。
相談で確認する内容の目安です。解体の可否や同意・契約権限を判定するものではありません。相続放棄の検討、居住者、土地の名義が違う場合なども、契約や処分の前にお知らせください。
質問と相談先をまとめて読む
今分かっている答えを選ぶと、次の質問が下に開きます。前の答えも変更できます。
建物を相続する人は 確認できている?(登記だけでなく、相続人・遺言・遺産分割の内容も確認できているか、分かる範囲で選んでみてください。相続放棄を考えている方がいる場合は、契約や処分の前にその事情もお知らせください。):複数人で所有 → 建物を共有する 全員の意向は?(解体したい建物と範囲について、全員の意向を聞けているか、振り返ってみましょう。返事がないことを同意とは扱いません。):全員が賛成 → 契約する人と 費用の分担は?(連絡窓口が決まっていても、誰がどの権限で契約し、誰が支払うかまで確かめておきたいですね。):これから相談
契約する人・費用・連絡窓口を確認しましょう
- 連絡を受ける人と、契約する人が同じとは限りません。ほかの所有者の代理で契約する場合は、どこまで任せるかも、一緒に確かめましょう。
- 誰が支払い、家族の間でどう精算するか、追加費用は誰に確認するかも、一緒に考えていきましょう。
建物を相続する人は 確認できている?(登記だけでなく、相続人・遺言・遺産分割の内容も確認できているか、分かる範囲で選んでみてください。相続放棄を考えている方がいる場合は、契約や処分の前にその事情もお知らせください。):複数人で所有 → 建物を共有する 全員の意向は?(解体したい建物と範囲について、全員の意向を聞けているか、振り返ってみましょう。返事がないことを同意とは扱いません。):全員が賛成 → 契約する人と 費用の分担は?(連絡窓口が決まっていても、誰がどの権限で契約し、誰が支払うかまで確かめておきたいですね。):決まっている
同意と契約の内容を、書面でも確かめましょう
- 対象の建物と撤去範囲、必要な人の同意、契約する権限、費用の負担が、実際に頼む工事と合っているか、一緒に確認していきましょう。
- 同意書や委任状が必要か、どのように本人の意思を確認するかは、ご相談の内容に合わせて工事会社と司法書士が確かめます。
建物を相続する人は 確認できている?(登記だけでなく、相続人・遺言・遺産分割の内容も確認できているか、分かる範囲で選んでみてください。相続放棄を考えている方がいる場合は、契約や処分の前にその事情もお知らせください。):複数人で所有 → 建物を共有する 全員の意向は?(解体したい建物と範囲について、全員の意向を聞けているか、振り返ってみましょう。返事がないことを同意とは扱いません。):まだ確認していない → 家族と連絡は 取れている?(これから解体の話をするのか、連絡しても返事がないのか、今の状況に近い方を選んでみてください。):これから話す
家族へ何を確認するか、一緒に考えましょう
- 全員の返事がそろっていなくても、今の状況から相談を始められます。解体の範囲、残したい物、費用など、家族へ何を聞くかを一緒に考えましょう。
- 見積もりの相談と、実際の解体に同意することは別です。まだ話せていない方がいる場合は、契約や着工を決める前に、そのこともお聞かせください。
建物を相続する人は 確認できている?(登記だけでなく、相続人・遺言・遺産分割の内容も確認できているか、分かる範囲で選んでみてください。相続放棄を考えている方がいる場合は、契約や処分の前にその事情もお知らせください。):複数人で所有 → 建物を共有する 全員の意向は?(解体したい建物と範囲について、全員の意向を聞けているか、振り返ってみましょう。返事がないことを同意とは扱いません。):まだ確認していない → 家族と連絡は 取れている?(これから解体の話をするのか、連絡しても返事がないのか、今の状況に近い方を選んでみてください。):連絡が取れない
連絡の状況から、一緒に対応を考えましょう
- 連絡に返事がないことだけで、同意を省略することはできません。どのように連絡を取ろうとしたかも、分かる範囲でお聞かせください。
- 必要な調査をしても共有者の所在などが分からない場合は、裁判所の決定を得たうえで、その方以外の共有者全員の同意で変更できる場合があります。工事を決める前に、この制度を利用できるかも一緒に確認していきましょう。
建物を相続する人は 確認できている?(登記だけでなく、相続人・遺言・遺産分割の内容も確認できているか、分かる範囲で選んでみてください。相続放棄を考えている方がいる場合は、契約や処分の前にその事情もお知らせください。):複数人で所有 → 建物を共有する 全員の意向は?(解体したい建物と範囲について、全員の意向を聞けているか、振り返ってみましょう。返事がないことを同意とは扱いません。):反対がある
反対がある場合は、契約を決める前に相談を
- 共有する建物全体の解体は、原則として全員の同意が必要です。人数や持分が多い側の判断だけでは決められず、費用を一人が払う場合も同じです。
- 相続人の間で争いがある場合の交渉は、弁護士へ相談します。工事の契約を決める前に、反対している方がいることをお知らせください。
建物を相続する人は 確認できている?(登記だけでなく、相続人・遺言・遺産分割の内容も確認できているか、分かる範囲で選んでみてください。相続放棄を考えている方がいる場合は、契約や処分の前にその事情もお知らせください。):一人が取得 → 契約する人と 費用の分担は?(連絡窓口が決まっていても、誰がどの権限で契約し、誰が支払うかまで確かめておきたいですね。):これから相談
契約する人・費用・連絡窓口を確認しましょう
- 連絡を受ける人と、契約する人が同じとは限りません。ほかの所有者の代理で契約する場合は、どこまで任せるかも、一緒に確かめましょう。
- 誰が支払い、家族の間でどう精算するか、追加費用は誰に確認するかも、一緒に考えていきましょう。
建物を相続する人は 確認できている?(登記だけでなく、相続人・遺言・遺産分割の内容も確認できているか、分かる範囲で選んでみてください。相続放棄を考えている方がいる場合は、契約や処分の前にその事情もお知らせください。):一人が取得 → 契約する人と 費用の分担は?(連絡窓口が決まっていても、誰がどの権限で契約し、誰が支払うかまで確かめておきたいですね。):決まっている
同意と契約の内容を、書面でも確かめましょう
- 対象の建物と撤去範囲、必要な人の同意、契約する権限、費用の負担が、実際に頼む工事と合っているか、一緒に確認していきましょう。
- 同意書や委任状が必要か、どのように本人の意思を確認するかは、ご相談の内容に合わせて工事会社と司法書士が確かめます。
建物を相続する人は 確認できている?(登記だけでなく、相続人・遺言・遺産分割の内容も確認できているか、分かる範囲で選んでみてください。相続放棄を考えている方がいる場合は、契約や処分の前にその事情もお知らせください。):まだ分からない
誰の同意が必要か、一緒に確かめましょう
- 親の名義のまま、相続人が誰か分からない、といった状況からお話しください。司法書士が登記と相続の状況を確認しますので、一人で調べきろうとしなくて構いません。
- 遺言や遺産分割で一人が取得する場合と、複数人が共有する場合では、確認する相手が違います。書類が手元になくても、どんな資料が必要かから、一緒に確認していきましょう。
相談で確認する内容の目安です。解体の可否や同意・契約権限を判定するものではありません。相続放棄の検討、居住者、土地の名義が違う場合なども、契約や処分の前にお知らせください。
図では、今分かっていることに近い答えを選んでみてください。最後まで答えても、解体への同意や契約の権限が証明されるわけではありません。迷うところがあれば、無理に答えを決めず、相談しながら確かめていきましょう。
親の名義のままなら、誰に確認する?
まずは、建物の相続人と、遺言や遺産分割の内容を一緒に確認しましょう。相続人が複数いて、建物の取得者がまだ決まっていなければ、原則として相続人全員の意向を確かめていきます。
遺産分割とは、相続人の間で遺産の分け方を決めることです。遺言や遺産分割によって建物を一人が取得することになっている場合と、複数人の共有である場合では、確認する相手が違います。「きょうだいがいるから必ず全員」「登記に自分の名前があるから自分だけ」と考えたくなるかもしれませんね。誰の同意が必要かを判断するために、今の所有関係を確かめていきましょう。
所有関係を確かめるときの資料
- 土地と建物の登記事項証明書所有者として誰が登記されているかが分かる書類です。土地と建物で名義が違うこともあるので、それぞれを確かめていきましょう。
- 相続人が分かる戸籍など亡くなった方の名義のままなら、相続人が誰かを確認します。昔の相続が未整理の場合や、相続人の一人がその後亡くなっている場合も、司法書士が関係を調べます。
- 遺言書や遺産分割協議書など建物を誰が取得することになっているか、内容と有効性を確認します。家族から「あなたが相続する」と言われている場合も、誰がどんな内容で合意したかをお聞かせください。
土地と建物の名義が違う場合や、誰かが住んでいる・借りている場合は、その事情もお知らせください。建物の所有者の同意に加え、土地の契約や使用している人との調整が必要になることがあります。
代表者が決まれば、その人が契約できる?
連絡の代表を決めただけでは、ほかの人の代理で契約する権限まであるとは限りません。解体に同意する人、契約する人、費用を負担する人、連絡窓口が、それぞれ誰になるかを一緒に確認していきましょう。
| 立場 | 契約前に確かめること |
|---|---|
| 建物の所有者 | 誰が所有しているか。共有なら、全員がどの範囲の解体に同意しているか。 |
| 工事を契約する人 | 自分の名で頼むか、ほかの所有者の代理で頼むか。代理なら、どの範囲の権限を任されているか。 |
| 費用を負担する人 | 業者へ誰が支払うか。家族の間で最終的にどう分担・精算するか。追加費用はどう決めるか。 |
| 連絡窓口 | 見積書や日程の連絡を受ける人。金額や工事範囲が変わるとき、誰へ確認するか。 |
費用を立て替える方は、解体に賛成してもらったことだけで終わらせず、どのお金から、いつ精算するかも相談しておきましょう。追加作業が必要になったとき、誰が承諾し、工事会社へどう伝えるかも、一緒に確認しておきましょう。
解体同意書には、何を残しておく?
解体同意書には、対象の建物と解体する範囲を記載し、所有者がその内容に同意したことを記録します。代理での契約を頼む場合は、委任状などで、契約や変更をどこまで任せるかも確認しておきましょう。
解体同意書は、同意した内容を後から確かめるために役立ちます。ただし、名前と印鑑がそろっているだけで、必要な人全員の同意や契約の権限が確認できるとは限りません。まずは所有関係を確認しましょう。工事会社の書式がある場合も、実際に頼む内容に合っているかを一緒に確かめていきます。
書面に残したい内容
- 対象となる建物と、撤去する範囲母屋だけを壊すのか、物置や塀も撤去するのか。所在地とあわせて、取り壊す物と残す物も分かるようにしておきましょう。
- 同意する人と、確認した日必要な人全員の意思を、どのように確かめたかを残します。署名や押印、本人確認をどうするかも、一緒に確認していきましょう。
- 契約を任せる場合の権限連絡だけを任せたいのか、契約や変更も任せたいのか、希望をお聞かせください。必要に応じて、委任状などで確認していきます。
- 費用の分担と、変更がある場合の決め方立替分をいつ精算するか、追加工事で費用が増えるときは誰に確認するかも、書いておきましょう。同意書とは別の書面にする方法もあります。
家族への連絡や書面の準備を、窓口を引き受けた方だけで抱えるのは負担ですよね。どんな書面が必要か分からなければ、そのままご相談ください。所有関係や工事の内容に合わせて、何を記録するかを一緒に確かめましょう。
返事がない人や、反対する人がいるときは?
返事がないことを同意と扱わず、契約や着工を決める前に相談しましょう。争いがある場合の交渉は弁護士へ、所在が分からない場合は必要な調査や裁判所の手続きについて相談します。
まだ話せていないだけなら、解体の範囲や費用、残したい物について、相手が何を気にしているかを聞いてみましょう。見積もりを取ることへの了解と、実際に解体することへの同意も、分けて考えたいですね。費用の目安を知るための相談は始められますが、敷地へ入る現地調査などは権限や利用状況を確認して調整します。
必要な調査をしても共有者の所在などが分からないときは、裁判所の決定を得たうえで、その方以外の共有者全員の同意で変更できる場合があります。制度を使えるかは個別の確認が必要で、単に電話や手紙への返事がないだけで同意を省略できるわけではありません。解体に反対している方がいるなど、相続人の間で争いがある場合の交渉は、弁護士へ相談します。
家族との話がまとまる前でも、相談してよい?
今分かっていることから、お話しください。誰へ何を確認するか、家族とどんなことを話し合うかを、工事や相続の手続きとあわせて一緒に考えていきましょう。
解体とあわせて、相続手続きは司法書士、補助制度の申請は行政書士、実家の売却は宅建士へ、まとめてご相談・ご依頼いただけます。家族から連絡を任された方が、工事会社や事務所を一つずつ探し、同じ事情を何度も説明する負担を減らせるよう、一緒に進めていきましょう。
解体前の準備全体を確かめる家財・建物の状態・解体後の使い方など、最初に相談したいことをまとめています。
CONSULTATION
実家のことで、一人で悩んでいる方へ
実家のことが気になっていても、調べることが多く、何から手をつければよいか分からないこともありますよね。家族との話合いや書類の準備が済んでいなくても、今困っていることをそのままお話しください。
解体や片付け、相続の手続き、補助制度の申請、実家の売却まで、まずはこちらへまとめてご相談ください。ご自身で窓口を探し分け、同じ事情を何度も説明する負担を減らせるよう、必要な手続きと工事の進め方を一緒に考えます。
